2014年9月16日火曜日

カイカイを抑える注射?ステロイドじゃん

皮膚の病気つうか・・・通称「カイカイ」
うちの子も例外に漏れずおります。
よくなった子もいるのですが悪くなった子もいます。
原因はそれぞれで食べ物だったり環境だったり・・・
いろいろありますよね。

そして・・・
カイカイが酷くなって思わず動物病院に行った方も多いのではないでしょうか?

しかも注射と処方される薬で劇的に症状が良くなった子も多いのではないでしょうか?

さすが○○先生、さすが○○動物病院などなど

しかしその注射と薬の中身を知らせてもらった飼い主はどれくらいいるのでしょうか?

私もカイカイではないですが何度かアレルギーを抑える注射というのを我が子に打たせたことがあります。そして今回のカイカイを抑える注射と薬。

もしも中身を最初に教えていただけたらいくら副作用は無いと言われても躊躇していたでしょう。
アレルギーを抑える注射をしてまで各予防接種はしなかったと思います。

その中身は・・・・ステロイド。

簡単に、しかも即効で効果ありますからね。
ステロイドの使用がすべて悪とは思いませんがそれでも安易に使いすぎだと思います。

未だに・・・
ステロイド
どのように
何に
どれくらい効果があり
なぜ効くのか実際のところ獣医さんでもわからないらしい。

治った!と思い急に止めるとぶり返しが酷いらしい(カイカイの場合)

くステロイドを使った子は、皮膚や肝臓がボロボロになる子もいるようです。

確かに必要な治療もあるでしょうが安易に使ってはいけない禁断の薬がステロイドなのです。

完治するのなら止むなしでしょうがそうでない限りは・・・







2013年10月30日水曜日

細胞診のリスク、人でも手術前提に行う

私も最初は細胞診を考えました。
無麻酔で手軽にでき費用も比較的安価で良悪の判断ができると思ってたからです。
しかし実際はどうかというと・・・

たしかに手馴れた先生であればミスなく出来るのかもしれません。
しかし人の場合の細胞診でも基本的に近いうちに手術することを前提にするそうです。
なぜならば、悪性だった場合、その細胞を散らしてる可能性が大きいからだそうです。
散らさず完璧に採取することは難儀らしい。故に散らしてしまう事を前提に進めていきます。
メラノーマの場合は確実に散るらしい。

では動物の場合はどうだろうか?
確かに安心を得るのには気軽にできる検査だと思う。
しかしそれよりもリスクの方が大きいような気がします。
もちろんすぐに手術するんだという前提でするには問題ありませんがその先生の手術の日程は大丈夫ですか?数日以内、もしくは1週間以内にやってくれますか?
日程が詰まって1ヶ月後とか言われたらやらないほうがいいです。

あるお店ではこの手の相談も多いそうです。
細胞診後に体に異変が起きたと・・・

なので「やる」としても手軽さだけではなくしっかりとリスクを説明してくれて、悪性の場合は数日いないにでも手術してくれる先生の下で行った方がいいです。

この針で突き破らずに確実に芯を捉えて悪い細胞だけ採取するのは難しい・・・と獣医師本人が言っておりました。もちろんこういった事に慣れてないからかもしれませんが手馴れている先生がいるとも思えません。

ここもやはり信頼関係なのだろうが、このようなリスクも飼い主がしっかりと把握しておかなければ行けません。

乳腺腫瘍と細胞診

細胞診・・・
しこり(腫瘤)に対して小さな針で細胞の一部を取りその性格を見るものである。
 
細胞診は得られる情報は少なく、それでなにもわからない腫瘍もあります。
ただ、細胞診で確定がつく腫瘍もいくつかあります。
良性の脂肪腫なら手術をしなくてもいいし、する場合でもかなり簡単に切除できます。
皮膚で最も多い悪性腫瘍の肥満細胞腫も確定がつきます。
乳腺腫瘍は、細胞診ではわかりにくい腫瘍ですが、悪性のものほど判断は出来ます。
肉腫というものなら、細胞診ではほとんど細胞は取れません。
ただ逆に取れないという所見は肉腫を疑う特徴であり、
また肉腫を切除する場合は、広範囲切除となるため、次の検査の必要が出ます。


細胞診である程度のことがわからない場合、
Tru-cut生検などのコア生検というものが必要か判断します。
これは無麻酔で、しこりの一部の塊を採取する検査です。
これでほとんどの腫瘍の名前を診断できます。
 



 
 
 

乳腺腫瘍か腫瘤か・・・まずは信頼できる獣医選び

乳腺腫瘤(腫瘍ではなく"しこり")は基本的に触診でわかるそうです。
当然しこりの有無の判断だけなので、触知できれば"ある"ということです。
ただし、その腫瘤が腫瘍か過形成や炎症か、はたまた腫瘍だった場合に良性か悪性かは、触診だけではわかりません。「しこり」があるからといってすべてが乳がんであるというわけではありません。
実際、乳腺の「しこり」の約80%はがんではないそうです。


触診では、腫瘤の数、個々の大きさ、硬さ、乳腺腫瘤であれば一側か両側か、底部に固着していないか、自壊していないかなどである程度良性か悪性かを頭の中で予想し、可能性を飼い主さんに伝えることが基本。(あくまで可能性で必ず当たるわけではありません)。
触った感じである程度の「しこり」の感触の違いがわかる場合もあります。
  • 良性は「消しゴムのような」硬さ、悪性は弾力のある「石のような」硬さ。
  • 良性は周りとの境界がはっきりしている感じで、悪性は周りとの境界は比較的曖昧。
  • 良性は指で押すと動き逃げるが、悪性は指で押してもその場所から動かない。


一般的に腫瘤を発見し腫瘍を疑う場合には、細胞診(細い注射針で細胞を採取し顕微鏡で細胞を観察する。麻酔はいりません。)を行っているのが今のやり方。
ただ細胞診では、乳腺腫瘤の場合には、ある程度の目安にはなりますが、腫瘍の良性・悪性を診断することは困難で、仮診断にしかならない。
 
人間の場合、マンモグラフィーなど検査技術が発達していますが、獣医療での術前検査は触診・細胞診(仮診断にしかならないので相談次第で実施しないことも)・必要に応じてCT検査などにとどまります。
結局のところ、腫瘤を切除し、病理組織学的検査を実施しないと腫瘤の確定診断はできないため、動物病院では腫瘤を見つけたら切除を提案します。
 
ただし、明らかに悪性で肺やリンパ節への転移が認められる場合には手術は提案しません。腫瘤をとっても余命は変わらないからです(転移があっても腫瘤の自壊によりQOLが下がっている場合は、QOLの維持を目的に切除することもあります)。
また、悪性の中でも"炎症性乳がん"であった場合には、周囲組織が炎症により正常でなく、最悪縫合部の皮膚がくっつかない場合があるため、手不適応となります。(相談次第で行う場合もありますが、くっつかない可能性をきちんと飼い主さんに説明しなければなりません。)
 
この時に避妊手術を、一応提案。
メリットは腫瘤切除自体が全身麻酔をかけての手術になるため同時に行えること、乳腺腫瘤がホルモン依存性の可能性があることから。
 
乳腺すべてをとってしまえば乳腺腫瘤の新たな発生は心配ありませんが、残っている場合には新たに出る可能性があるためです。(良性や過形成など。悪性は高齢で避妊しても発症率は変わらない。)
加えて高齢の子の場合、今後卵巣子宮疾患の懸念があるためです。手術が必要でも体力がなくなって全身麻酔による手術に耐えられないという症例を目にしているため、獣医師としては今のうちにと考えます。
 
ただし、乳腺腫瘤は皮下組織の剥離・切除と比較的侵襲が低いですが、卵巣子宮摘出は腹腔内へのアプローチとなるため、さらに侵襲が大きくなるため、その点も十分説明する必要があります。
手術をしっかりできる獣医はたくさんいます。でも、できない獣医もたくさんいます。
「判断するのは飼い主さんです」。
 
信用できる獣医を見つけましょう。
 

2013年5月2日木曜日

犬の乳腺腫瘍 発症率

『犬 お腹 しこり』とか『犬 乳首 しこり』と検索すると必ず出てくるのが「乳腺腫瘍」ですね。
ほぼ間違いなく乳腺腫瘍がダントツに出てきます。
また動物病院でも「乳腺腫瘍」と診断されたケースの書き込みも多い。
なので『犬 お腹 しこり』とか『犬 乳首 しこり』=乳腺腫瘍と思っている人が大多数です。
そこで犬が乳腺腫瘍の発生率がどれくらいなのか調べてみました。
一般社団法人 日本臨床獣医学フォーラムの中に「犬の病気」というコンテンツがあるのですがこの中に乳腺腫瘍の発生確率が出ています。
犬の腫瘍で圧倒的に多いのは乳腺腫瘍である・・・と始まりますがその次に
犬の乳腺腫瘍の発生頻度は10万頭につき198.8頭』とあります。
0.1988%・・・約0.2%です。
およそ1000頭当たり2頭の確率です。

でよく言われているのがある臓器を摘出する予防=避妊手術です。
最初の発情までに避妊手術を受ければ乳腺腫瘍の発生は非常に少なくなるといわれている
(危険度はふつうの犬の1/50にも下がる)=約0.004%
10万頭当たり4頭の確率。
また最初の発情をむかえても,2回目の発情をむかえるまでに手術を受ければ減らせる
(危険度はふつうの犬の1/3以下に下がる)=約0.07%。1万頭当たり7頭。
とあります。確かに格段と発症率は下がります。

確率論だけでは言い切れないものなのでしょうが、
確率から言えば乳腺腫瘍の発生確率は約0.2%であり
比較的発生率の低いものだと言えるのではないでしょうか?

ちなみに・・・
近年における動物用狂犬病ワクチンの
副作用の発生状況調査
蒲生恒一郎↑ 小川孝衛藤真理子
農林水産省動物医薬品検査所(干185-8511 国分寺市戸倉1-15-1)
(2007年4月18日受付・2007年12月11日受理)
要約」:ていうのを見つけました。
http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010761708.pdf
動物用狂犬病ワクチンの副作用の発生状況
年齢層別の副作用および死に至った副作用の発現率

1歳未満


1~3歳


4~6歳


7~9歳


10~12歳


13歳以上


不明

副作用発現数
(発現率)
10
(1.46)
18
(0.64)
7
(0.31)
11
(0.55)
9
(0.93)
4
(0.37)
1
(0.37)
死に至る副作用発現数
(発現率)
5
(0.73)
6
(0.21)
5
(0.22)
6
(0.31)
9
(0.84)
1
(0.09)
0
(0.00)

検体数は少ないもののよっぽどこちらのほうが高い数値になりますね(^^;
逆に言えば少ないにも関わらずです。


犬の乳腺腫瘍は犬の腫瘍で圧倒的に多い。
初期に避妊をすればほぼ防げる。
初期段階でなくとも避妊をすればリスクを軽減できる。
良性悪性の割合はほぼ半々。

としか書かれてない事が多いがもともとの発症率を載せないのは偶然かそれとも意図的なのかわからないが少々ずるいと思う。これでは飼い主を怖がらせるだけである。
かと言って素人である私たち飼い主が判断もできない。
ここらへんが難しいところである。










2012年7月24日火曜日

『自然食品』『無添加』でも安心できない、ドッグフードに使われる添加物と病気の関係

ドッグフードに使われる添加物には、栄養バランスを整える為の栄養添加物、品質を保持する為の添加物、 食欲や見栄えを良くする為の添加物があり、この中でも一番の問題となるのが品質を保持する為の添加物でいわゆるBHA、BHT、エトキシキンなどの保存料といわれているものです。

これらは酸化しないように長期保存を目的とされた酸化防止剤で、強力な発ガン生物質です。
これはネットで検索すればすぐに出てきますね。

昔の犬や猫は、残飯や味噌汁かけご飯を貰って食べていたのに、
目に付くような病気などありませんでした。
ところが安く保存が利く便利なドッグフードが世に登場しそれらを食べるようになってからガンや皮膚病、アレルギー、尿路結石などの病気が増えてきました。 

人間と同様にこれらの病気はドッグフードに添加された化学物質が原因である可能性が高い
と言われています。
以前どこかの特集で、ドッグフードに添加されている保存料の検査で発がん性物質であるエトキシキンとBHAが20品目ほどのドッグフードの有名ブランドの中で、半数に近いメーカーから検出されたという記事がありました。

そしてその大半のドッグフードが『自然食品』、『オーガニック食材』で『無添加』と称したものだったそうです。

いろいろなメーカーが世論にたたかれBHA、BHT、エトキシキンに変わって天然のビタミンCやEなどを保存料に使うメーカーが増えてきましたが、こうした天然の酸化防止剤は効き目が弱く、とてもとても長期保存に耐え得るものではないとの事です。 

原材料を仕入れた段階で、すでに添加物が使用されていることも目面しくありません。
メーカーはそれを知ってか知らないかは知りえませんが、既に合成保存料が添加されている原材料を使うことで自社では無添加、無農薬、オーガニックといえるわけです。

当然「無添加」「合成保存料不使用」でも賞味期限のやたら長いもの、カビの生えないものははこのような可能性があると考えられます。

以前のペットフード公正取引協議会では原材料を多い順に合計80%まで表示すればよく残りの20%に何が含まれているのかが不明でしたが、100%表示になりました。
ペットフードの改正で~に利くドッグフードとか専用のドッグフードとかの表示もダメになったようです。その有効性が検証できていれば良いのでしょうがまずほとんどのメーカーは難しいと思われます。

また原材料を100%開示義務があるとはいえ偽装があるのが今の世の中。
すべてを鵜呑みにするのは危険かもしれません。
パッケージに「〇〇副産物」とか「肉骨粉」などの表示、例えばチキンミールとかラムミール・家禽ミール、鶏肉粉・牛肉粉などの表記があるものはレンダリングによって得られた原料を使っている可能性があるようです。レンダリングというのは、4Dミート(人間が食べることが出来ない肉)の他に、安楽死された犬・猫や路上轢死動物、レストランの廃油やスーパーの廃棄食材などを大きな容器に入れて、高温で一斉にミンチにかけられたものです。 

レンダリング時には大量の消毒液や病気の菌を殺すための薬剤を一緒に入れ、毛も骨も蹄も、全部一緒に粉砕されミンチにかけた物がペットフードに入れられているそうです。
たまにありませんか?ドッグフードに毛が混じったもの、なにやら明るい色をしたプラスチックのようなかけらが入っていたりと・・・。
私は何度かあります。もちろん違うメーカーです。

レンダリングされる原料は、レンダリング処理をされるまでしばらく放置されています。
これは大きな釜で一気にするために材料が集まるまで待っているからだそうです。
このためにそれらが腐敗し多くの場合、サルモネラ菌や大腸菌といった細菌に汚染されていて、これらの細菌は高温処理で殺菌されたとしても、細菌が出すエンドトキシンという毒素や化学物質までは分解できないのです。  

病死した動物を使用した場合、その動物が病死するまでに、多量の抗生物質などが投与されているであろうし、安楽死させられた動物には、ベントパルビタールという安楽死に使う薬剤が残留しています。 BSE(狂牛病)にかかった牛の肉なども使われている可能性も無いとは言えません。 
現在は不明ですが日本にもレンダリング工場は四国などに存在していました。
レンダリング処理する際に浮いてきた脂肪や脂が、ほとんどのペットフードに含まれる動物性脂肪のもとになっていると言われています。


脂肪には、動物性、植物性、魚の油分があります。
「総合栄養食」?であるためには、ドッグフードには必ず脂肪が入っています。
動物性脂肪は酸化しやすいのでその酸化を防ぐために、植物性脂肪以上に酸化防止剤や保存料が必要になります。製造段階からすでに酸化は始まっているといわれています。
よく天然のビタミンCやE、ローズマリー抽出液で保存と明記されていますが、ビタミンなどは非常に弱く、破壊されやすいものです。
天然の保存料だけでどこまで品質を保持できるか疑問に思いませんか? 

酸化臭や味を誤魔化す為に塩や香料を添加することになる訳です。
長期保存できるタイプものであれば、添加物や保存料は必ず入っています。
明記してあれば良心的な方であり、書いていないのは100%開示でない限り、
入っていないということではなく公表したくない、もしくは出来ないだけ。

ビートパルプは甜菜(砂糖大根)の絞りかす(線維質)の事で、これ自体は線維質源として、悪いものではないのですが、繊維質(搾りかす)が多いので安価にフードの量が増やせる為、粗悪なフードには大抵使用しているとされています。
プレミアムフードといわれるものの中にもこのビートパルプが使用されているものが多々あります。
また、飼主が処理しやすいように便を硬くするという効果もあるようです。
ビートパルプを圧力を加えて絞ったものならまだしもペットフードに入れられるビートパルプは科学薬品を加えて取り出している可能性があり、当然のことながら薬品が残留しているわけですよ。

原材料のトップに来るものは「鶏肉」「牛肉」など普通の食材名であること。
そして、「ビーフエキス」「チキンミール」などの謎の言葉には要注意です。
原材料のトップに肉類がある場合、肉粉であるか肉であるかで、実際の肉の使用量が大きく違ってきますので気をつけましょう。


●総合栄養食の位置づけ
AAFCO(米国飼料検査官協会)とはアメリカの機関が定めたものであり、フードが一定の栄養価を満たしているかなどを判断するものなので、国産品にAAFCOの基準が適応されることはありません。 日本にはペットフード公正取引協議会と言うものがあり、ペットフード公正取引協議会の認証品ならば、AAFCOの栄養基準に準じるものとされています。 
ただこのペットフード公正取引協議会というのは各ペットフード会社が立ち上げた業界団体であり公的なものではないのです。

ペットフード公正取引協議会に加入しているメーカーが、基準に違反した場合は罰則がありますが、加入していなければ守る義務がないわけですから、当然ペットフードに関する規制はさらに甘いものになるのです。

ペットフード公正取引協議会の栄養基準は、AAFCOが推奨している栄養基準の数値を指標としています。ですので、加入していない国産メーカーよりは加入しているメーカーの方が良いでしょう。 

主だったフードの試験・調査をしたところなんとAAFCO(アメリカ飼料検査協会)給与基準を本当にクリアしているメーカーは、わずか数社だけだったそうです。
AAFCOの給与基準をクリアーとかAAFCOの給与基準を満たしている、と表示してあっても、実際は数字合わせをしているだけのことで、これらは自称クリアにすぎないといいます。

確かにアメリカはペット先進国ですが、原材料は肉骨粉がほとんどなのです。
この肉骨粉はレンダリングによる副産物であり、そして何よりアメリカは「ペットフードは家畜飼料である」と言う考え方であり、 肉骨粉の使用や危険な添加物の使用を容認しているのです。

この数年、ペットの栄養学は急速に進歩しているとは言っても、犬に関する栄養学と言うのは、まだまだ確立されていない分野のようです。

人間は主食と主に副食が中心で、その副食は毎回変わるのに対して、犬は主食のみを毎日ずっと食べ続けるわけです。「総合栄養食とは、その主食と水さえあれば健康を害する事なく過ごせる」と謳っていますが、メーカーはそれを完璧なものだと言いいます。

しかし、人間の食べ物ですらそんな完璧なものはないのに、遅れているペットの栄養学がそんな完璧なものを作りだせるのか。果たしてそれを食べているだけで健康でいられるものなんでしょうか。

2世代以上の給与試験を行っているメーカーもありますが、自社の研究所ではなく、あくまでも外部の第三者機関で行う方が良いのです。自社研究所が親会社であるメーカーに不利になるデータを出すはずがないのですから。

しかしながら、給与試験は行っている方が良いわけで、なおかつ分析試験も両方実施しているのが望ましいようです。

AAFCOの栄養基準は少し高めだそうです。
これは一説には、飼い主が手作りしようと思っても、栄養バランスなど簡単に真似できないように、ややこしくし諦めさせようという意図が見え隠れするとも言われています。
また、広大な土地で運動量の多いアメリカなどの犬に比べ、日本の、しかも室内犬となると実際栄養過剰なのだそうです。

●成分の表示
何によるタンパク質かも大事です。良質な動物性蛋白質を多く含んでいる事が望ましいのです。 とうもろこしや大豆などの植物性蛋白質よりも、肉や魚などの動物性蛋白質の方が良く、蛋白質の量よりむしろ、蛋白質の質を考えた方が良いのです。

一般的なペットフードのタンパク質源には肉や魚、植物性としてとうもろこしや大豆などが使用されていますが、植物性の蛋白質ならば「大豆ミール」などの言葉に要注意です。
また、炭水化物は多くなりすぎない方がよいです。

例えば、トウモロコシグルテン、トウモロコシ粉 、コーングルテンのようにこれらは同じ材料です。 
このように同じ材料をいくつにも分けて記載する事で、実際以上に肉を多く見せかけたり、穀物原料を少なく見せかけたりできます。 
これは、タンパク質源をトップに持ってくるための策略ですので、騙されないようにしましょう。

ほとんどのドッグフードでは原材料の劣悪さを誤魔化す為にビタミン・ミネラル類を多量に添加している場合が多く 、このようなフードというのはそれなりの原材料しか使っていない可能性が高いようです。

その他に、栄養添加が目的であるセレン化合物があります。
微量の無機物ですが過剰な摂取は神経質・食欲不振・嘔吐・呼吸困難などを引き起こす事もあるそうです。日本では認められていない危険な添加物ですがアメリカなどでは飼料添加物として認められているのです。

●国産or外国産
外国産のメーカーの場合、流通経路を考えてみるとどうなのでしょうか。
船に揺られて長い旅の末、日本に入ってるのです。輸入製品の賞味期限は長くなかには2年近くもあるものもあり、 長期保存がきくフードというのは、当然ながら強力な保存料を使用しているわけで、ビタミンCやEなどの天然保存料だけではとても長期保存がきくとは考えられません。

ビタミンなどは熱に弱く破壊されやすいですし、
他に何かが使用されているとは考えられないでしょうか。
外国産の一部の正規品などはクールコンテナ(低温に一定温度に保ってくる)で、品質保持しながら運ばれてくるものもありますが、いくらパッケージに窒素ガス充填剤を使ったり、工夫を凝らしてみたところで、日本に到着してからリパック大袋を一度開封し詰め直す)するのでは、結局は空気に触れ酸化が進み意味がないわけです。 その点、国産のものならば新鮮なものを食べさせられますが、長く持たない分保存の仕方に注意が必要になります。

もちろんリパックしないメーカーもありますが、
日本の販売店に到着してからの保管・管理はどうなのか。
うちはきちんと低温庫で保管しています、というところもありますが、では店頭に並んでいる間や、閉店してからの商品の管理はどうなのか。
また、低温で運ばれてきたものを常温で管理すれば、温度差からの湿気などでかび生えたり、傷む原因となります。

リパックについては、安全性を高める為の検品とか保存性を高める為だとかメーカーは説明するようですか、実はビニールの切れ端や留め金、動物の毛や爪の一部などの異物混入が多いので、そのままではとても出荷できない状態だからなのだそうです。アメリカのペットフードのほとんどが、原材料は肉骨粉なのですからこれは当然の事なのかもしれません。

●粗悪な穀物と増量剤
一般的に日本語表記で使われているミールとは副産物を含む肉粉や肉骨粉のこと
をいい、ミートミール、副産物ミール、などの表記には要注意です。
トウモロコシグルテン、トウモロコシ粉 、グルテンミール、コーングルテン、
大豆ミール、ライスグルテンミール、 ピーナッツの殻などは栄養素をほとんど
含まない粗悪な穀物や増量剤です。 
また、「~ぬか (Bran)、~粉 (Flour)、 ~グルテン (Gluten Meal)、~殻 (Hull)」で終わるような炭水化物源も増量材です。

穀物についても、タンパク質同様、良質なものを使用していること。
とうもろこしは、米や小麦に比べ安価なので、 
低価格のフードで多く使われる傾向 にありますが、全粒とうもろこしと表記されているもののほうが安全だと言われて います。

●ミネラル(特にカルシウム、リン、マグネシウム)のバランス
カルシウムについても、適正範囲内かどうかを確認しましょう。
カルシウム過多は骨の変形などの成長障害を引き起こすので、とくに成長期の犬の
場合は重要です。

鶏のササミにはリン分が多く含まれているため、適正範囲内でないとリンと
カルシウムのバランスを崩し、体内のカルシウム分を破壊してしまいます。
塩分(ナトリウム)については、良い原材料を使っていればそれらの材料から取れる
分で十分であり、 添加する必要はないのです。

●大豆製品に注意
質の良い大豆は良質な植物性タンパク源となるので、適切な処理がされていれば
問題はありません。 注意しなくてはならないのは、
大豆の搾りカス(大豆油を絞った 残りでおからとは別のもの)が安価な原料として使われている場合です。大豆カスは 栄養が乏しく繊維質が多いため、ガスの発生の原因となる可能性があり、鼓腸症や 胃捻転の原因となることがあるので注意が必要です。

原材料の表示で見分けるのは困難ですが、価格の安いフードほど注意が必要で
あると言えます。

●アレルゲンになりやすい原材料に注意
本来肉食である犬は、消化管が短く穀類などの消化は苦手なのです。
肉は消化しやすいように身体が出来ていますが、植物性のものや消化しにくいもの
が入ってくると、蛋白質をアミノ酸に完全に分解できず、
蛋白質の形のまま腸管 から血液内に入ることになります。 
その際、身体か異種抗原と勘違いして攻撃を 始め、そして、同じものがまた入ってきた時に反応を起こし、 アレルギー症状と なるわけです。

もちろん個々によって、ダメージに強い子もいますし、
免疫系の反応も個体差に よって違いますから、
全部が全部アレルギー反応を起こすとは限りません。

幸い愛犬の場合、動物病院で血液検査をして頂いたところ、食物にはアレルゲン
となるものはありませんでしたので、この点はあまり心配ないようです。


●価格
高ければいいとは言えませんが、一般的に安いものは原材料が粗悪だからと考えて
よいようです。
一般的にペットフードの製造に使われるのは、
エクストルーダーという一種の 押し出し機を使う事が多いのですが、 
200度以上の高熱をかけ出口付近で発泡 させる為、
大きく膨らんできれいな丸いフードに仕上がります。

しかし、最初に材料を練りこんでしまう為、
ビタミンやミネラルなどの栄養素は熱に 弱く破壊されてしまいます。

従来の製造方法では実際にはほとんど含まれていないというのが正しいようです。
そして、出来たものに最後に鶏脂肪酸などの油をスプレーしコーティングするのです。

排便の量が多いフードは、栄養を吸収する物が無いので排便に全て出てしまう為
あまりよくないようです。

沢山水を飲むフードは良くありません。
ドライフードは水分が10%以下に調整して あるので、水分が不足します。
犬はそれを補う為に大量の水を飲むようになります。
そうなると、胃酸が薄くなり消化不良などを起こすケースもあるのです。
また、水をよく飲むのは、塩分や糖分が多い場合もあります。

水に沈むドライフードが良い。
これは原材料がしっかりしていて栄養密度が高いから だそうです。 
膨張剤で膨らませたような軽いフードは水に浮きます。
密度が高いフードは沈んでも大きさはあまり変わらないが密度が低いフードは3倍以上膨れます。
こんなドライフードを食べた後に水を飲めばどうなるでしょうか?
フードを一度水に濡らしてから水を切り、
そのまま数日おいてみて変色やカビが 生えないようなものは危ないものです。

これらの条件をクリアするのは、ほとんど不可能に近いことです。
何を優先するのか どこで妥協するのかは自分自身が決める問題になってくるのです。
低価格のフードを与えていても病気知らずの子もいれば、その逆の場合もあるし、
いいフードだと思って与えても、その子に合わなければどうしようもないのです。

理想的なドライフードを探すよりも、本当は私達が食べるものと同様に新鮮な食材を使い出処の確かで飼い主の愛情こもった手作り食が一番 いいに決まってます。
人それぞれの諸事情によりちょっと無理な部分があるので、結局のところ 皆がドッグフード探しに真剣になっている訳ですね。
犬用は・・・と難しく考えず自分たちの食事を作る際に調味料を加えない愛犬の分をほんの少し多めに作るだけでいいのにね。

人も犬も変わらない 免疫力を高める食品など

辛み成分であるジアスターゼを豊富に含む大根
ジアスターゼは別名アミラーゼともいいます。
アスターゼは胃腸薬(人、犬の胃腸薬に共通する)によく含まれており賞ks不良や胃もたれなど食欲不振を改善する作用があります。
ウイルスや病原菌が体内にはいってきても、必ずしも病気になるとは限りません。それは、体内にある白血球、マクロファージ、NK細胞が協力し合って異物をやっつけ、感染するのを防いでくれるからです。
だから、免疫力を高めるには、白血球などの細胞がいつも元気に働けるよう、細胞の酸化(老化)を防ぐことが大事。
抗酸化辛み成分であるイソシアシアネイトに抗酸化の働きがあり、皮との間に多く含まれているので、よく洗って皮ごと食べるのがいいと思われ。
また、大根はジアスターゼなどの消化酵素も豊富。
食べたものを速やかに消化し、効率よく吸収する助けをし、効率よく吸収する助けをし、代謝のアップにも役立ちます。
ただ、これらの成分は熱に弱い。大根おろしにして冷ましたスープなどに加えてはいかがでしょうか?
なんでも食べる子であれば、ほうれん草やトマトを加えると、抗酸化力がトリプルになり、さらに強力になります!

長芋に含まれるムチン
長いものヌメリに含まれるムチンは、たんぱく質の分解を助ける成分。
たんぱく質は細胞の材料となる栄養素なので、免疫力を高めるためには、
毎日きちんと補給する必要があります。長いもは、そのほかにも多くの消化酵素を含み、食べ物の消化吸収をよくし、
新陳代謝を上げるので、昔から“精がつく食べ物”といわれてきました。
最近では、抗酸化成分を含むこともわかっています。
こういった長いもの成分を100%生かすには、すりおろさないことが大事。
『長いものせん切り』は昔からある定番メニューですが、良質のたんぱく質を含む鶏肉を混ぜれば、免疫力はさらにアップ。
抗酸化成分を含むのりを散らしてもいいし、同じく抗酸化の働きがあるわさびを混ぜて、風味よく、ピリ辛にすれば、お父さんのお酒の肴にもいけて一石二鳥。

高タンパク低脂肪、抗酸化抗力の鶏肉
鶏肉はもとよりたんぱく質が豊富で、しかも低脂肪という優れた食品です。
またアミノ酸の一種であるカルノシンやアンセリンに抗酸化抗力があることがわかりました。
たんぱく質を効率よく利用するために、
たんぱく質の代謝をよくするビタミンB2と合わせて与えましょう。
たとえば、『鶏のカシューナッツ炒め』はナッツにビタミンB2が豊富なのでおすすめ。
同じくビタミンB2が多いきのことの炒めものは、家でも簡単につくれるメニューです。

腸内環境を整える乳酸菌
よく「腸内環境」という言葉が使われますが、免疫力を高めるためにも、善玉菌であるビフィズス菌を増やし、腸内環境を整えることが必要です。
それによって、消化吸収をよくし、基礎体力をアップさせることができます。
ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、腸内でビフィズス菌を増やす働きをし、便秘の解消にも役立ちます。ヨーグルトにはカルシウムやたんぱく質なども豊富なので、毎日積極的にとりたいもの
バナナを加えると食物繊維がプラスされて整腸作用が強まり、りんごを加えると抗酸化作用が加わって、よりヘルシー!

クロロフィルとビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品、小松菜
冬になると青々としてくる小松菜は、緑色の成分であるクロロフィルとビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品です。
そのうえカルシウムや鉄分などのミネラルも豊富なので、免疫力アップのためだけでなく、骨粗鬆症や貧血が気になる子にはとくに積極的にとることをおすすめします。
小松菜は、ほうれん草のようにアクがないので、下ゆでしたり、水にさらしたりする必要なし。
サッと炒めるだけで食べられます。
免疫力を高めるためには、良質のたんぱく質を含む、卵や鶏肉などと組み合わせるのがベター。油を使うことで、ビタミンA(カロチン)の吸収もよくなります。
小松菜を粗みじん切りにしてご飯と炒め、溶き卵を混ぜて、塩、こしょうで調味する『小松菜のチャーハン』や『小松菜と卵の炒めもの』も手軽にできるおいしいメニューです。

強い抗酸化力を持っている納豆
納豆などの大豆製品には、イソフラボンという、胃がんを予防する成分が含まれており、これが強い抗酸化力をもっています。体内にはいると、女性ホルモンに似た働きをし、代謝をよくする効果もあります。
納豆にはビタミンK2も含まれており、カルシウムが骨に沈着するのを助け、骨を丈夫にします。
骨を健康的に維持することで、基礎体力がアップします。
納豆は手軽なうえ、植物性たんぱく質も豊富。
免疫力アップのためには、毎日でもとりたい食品。よくかき混ぜて、ネバネバにして食べましょう。
もともと消化のいい食品ですが、
たんぱく質の消化吸収を助ける長いもと組み合わせるとさらにいい。
ともにネバネバ同士で、味の相性もピッタリ。

代謝をよくすることで疲労を予防・解消するクエン酸
クエン酸は代謝をよくすることで疲労を予防・解消し、元気な体を維持します。
梅干しに多く含まれていることは有名ですが梅干しを食べる犬はイないでしょう。
他には酢、キウイ、みかん、ナシなどに多く含まれているようです。
アジの南蛮漬けやみかんだったら食べる子も多いと思います。疲れているときの疲労回復にも役立ちますので
夏場など食の細い時期に酢の物を毎日の習慣にするといいかも!

殺菌作用、疲労回復、血中の脂質を減らしエネルギーとして効率よく燃えやす成分を含むにら
免疫力を高めるには、体内にはいった栄養素が、
エネルギーとして効率よく燃える必要があります。
エネルギーの素である、糖質の代謝に不可欠な栄養素はビタミンB1。
そのビタミン1の働きを助けるのが、にらに含まれている、硫化アリルという成分。
硫化アリルは加熱しないほうが、より強力に作用します。他にもニンニクが有名ですね。
だから、「硫化アリル+ビタミンB1+糖質」の組み合わせがベスト。

ビタミンA・C・Eの抗酸化力も免疫力を高めます。
家でつくるなら、にらを卵でとじた『にら卵』や
『にらと豚肉の炒めもの』+ご飯もおすすめ。
硫化アリルを含む食材を沢山取り過ぎると貧血になったり胃腸に負担がかかるので注意。
人間においても、過剰に玉ねぎやニンニクを食べた場合、貧血になることは知られています。

結局のところ人間でも犬でも個体差があり、その犬や人に適した量はその恩恵を受けると思う。
例えば鶏肉だって食べ過ぎれば下痢になるという感じで
あれがダメ、これがダメというが食物アレルギー自体、個体差があるし、それだけを大量に与えるわけではないし、私達も食べるわけではありません。
個体に適した量ならば恩恵のほうが大きいこともある。
個人的には製造工場の見えないジャンクフードを与えるよりよほどマシだと思います。