2009年10月22日木曜日

犬の肥満と犬に必要なエネルギーの一般的な計算方法

愛犬に必要なエネルギーの計算方法があります。
昔と違い最近では犬でも糖尿病や心疾患などの生活習慣病が多いそうです。
その原因が食物が豊富にあること、運動不足など、肥満になりやすい環境にあることがあげられます。
また犬の日常生活でも、体が思うように動けないことがストレスに繋がりますます病気に拍車をかけたり、
それれらのアピール行動が問題行動と勘違いしてしまうことも少なくありません。
そこでダイエットをするわけですが犬は自らダイエットをしません。
もともと犬を含め動物は食いだめをするのでそこは飼い主が食事の管理を徹底的に行うことで肥満を回避し、病気やそれに伴う手術などいろいろなリスクを回避する必要があります。
これは飼い主の役目、責任だと思います。
過度な食事管理は必要ないと思いますがある程度(肥満にならない程度)の管理は必要不可欠です。
そこで犬の1日に必要なエネルギー量の計算方法を利用してみましょう。
注)
犬は個体差が大きいため体表面積を利用して1日に必要なエネルギー量を計算する方法が一般的だそうです。

一般的なエネルギーを測る単位として
●基礎エネルギー要求量(BER)
脳の活動や呼吸など最低限の生命維持に必要なエネルギー量のこと

●安静時エネルギー要求量(RER)
基礎エネルギー量に食べ物の消化、吸収、代謝に必要なエネルギー量が加わったもの

●維持エネルギー要求量(MER)
立ち上がる、座る、横になる、排泄をするなど自然な活動に必要なエネルギー量のこと

●1日あたりのエネルギー要求量(DER)
各個体の活動に応じた1日あたりの必要なエネルギー消費量

これらをもとに愛犬の1日に必要なエネルギー量を計算します。

2009年10月20日火曜日

エネルギーとは 犬に必要なエネルギー量

生命活動を維持していくためには絶えずエネルギーを摂取、消費を繰り返しています。
消費されるエネルギーを体外から補充しなければ体内で蓄えたエネルギーを使い果たしやがて生命活動が停止してしまいます。単にエネルギーの消費といえば体を動かすことが思い浮かびますが体の成分の合成、体温維持、神経の伝達、脳内活動とさまざまなものに使われているわけです。
一般的にエネルギーはカロリーで表示され、
体の生理的エネルギーの単位に関してはキロカロリー(1キロカロリー=1000カロリー)で表されます。

炭水化物は1gあたり4kcal、たんぱく質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalエネルギーを作り出すといわれます。これらはすべて食事中からのエネルギー源になります。しかしこれらの食物すべてが消化吸収されるわけではありません。質によって幅があります。

エネルギーは一般的に3種類に分類されます。
①総エネルギー:
食事中に含まれるエネルギー量のこと。すべてのエネルギーが有効活用されるわけではありません。
②可消化エネルギー:
食物の消化された部分にのみ含まれるエネルギーのことです。未消化のものは損失分として差し引かれます。
③代謝エネルギー:
実際に利用できたエネルギーのことです。
体内に入った可消化エネルギーの1部はさらに失い尿と一緒に排出されます。
代謝エネルギーはこの尿と一緒に排出されたものを差し引きます。

代謝エネルギーは食事からの有効なエネルギーを測る上で重要な数値。よって総エネルギーもしくはエネルギー、カロリーとだけ表示されているドッグフードよりも代謝エネルギーを表示しているものの方がより有効な数値を表示しているといえます。

一般的に子犬や活発な犬には高いカロリーのものを肥満な犬には低カロリーのものをといいますが、こうしてみるとすべての食事中のカロリーが体の活動に使われていたり身についているわけではないようです。
下手をすると高カロリーの食事でもグレードや質が悪ければすべて排出されるということもありえます。

犬の消化と吸収の特徴

犬の消化には噛み砕く、混ぜる、転送するといった動作の機械的消化と消化酵素により分解する科学的消化があります。吸収とは栄養学的に見ると大事な栄養素を消化器官の細胞膜を通して血中、リンパ管中に取り入れることをいい主に小腸で行われます。

犬などの肉食動物は獲物を切り裂いて飲み込むという食生活のため人間と違い口の中での炭水化物の十分な消化は期待できません。(人間の場合、口の中で咀嚼を繰り返し、胃に送るという食生活なのでアミラーゼの分泌が効果的に促進されます。)
また、ほとんどの栄養は小腸から吸収されます。犬の小腸は人間のそれと異なり短いので効率よく消化吸収を行う必要があります。ですから炭水化物系のものを与える場合、口から摂取する時点で犬の消化器官に負担をかけない状態に加工されている必要があります。また生物価の高いたんぱく質を与えることでフンなどの代謝産物をできるだけ少なくすることがより良い犬の消化と吸収の目安だといえます。

犬は雑食動物なのか

犬は雑食動物なのか・・・
長い歴史の中で人間と暮らす間にある程度は適応しているかもしれませんが応えはノーです。

犬は何でも食べ、雑食性の動物と思われがちです。しかし犬は雑食動物ではありません。
人間とともに生きてきた犬は人間の残飯を食べることに慣らされてきただけなのです。
そのため犬は植物や穀物をベースにした食事をすることはできても、早期に栄養バランスを崩してしまうことがあるといわれます。

犬本来の食事は肉食性です。応えはノーです。むろん肉も必要ですが、
もっと重要なのは・・・草食動物の胃や腸などの消化気管を食べることなのです。

狼や犬など野生の肉食動物は、獲物を捕獲した後、まず胃から食べ始めました。
草食動物の胃や腸などの消化気管には、
ビタミン、ミネラル、酵素など、自然の恵みともいえる犬たちには欠かせない栄養があるのです。

草食動物などの反すう動物は4つの胃(別名「トライプ」)を持っています。
反すう動物は4つの胃(別名「トライプ」)とは聞きなれない言葉ですが、牛の第一胃はミノですし、
牛の第二胃はハチノス、牛の第三胃はセンマイ、第四胃はアカセンやギアラと呼ばれます。
牛の胃は以上の四つですが、生物学的にいう胃はこの第四胃だけです

食物を消化する過程では、動物が食べた食物(草、干し草など)は噛まずに飲み込まれ、
第一胃と第二胃に送られます。
草や干し草などは、胃の中の微生物によって分解され、さらに、食物は口に戻ったり胃に戻ったりしながら噛み砕かれ、唾液と混ぜ合わせられます。
その食物は再び飲み込まれ、第二胃、第三胃を通って
第四胃に送られ胃液、消化酵素によってさらに消化されます。

その食物が消化された第4胃を内容物ごと刻んだものがグリーントライプというらしいです。
このグリーントライプには反すうの過程で作られる消化液や消化酵素、さらに驚くべきことにプロバイオティクス(乳酸菌)が含まれています。
これらは犬の消化を助け、効果的に栄養を吸収するのに役立ちます。
またグリーントライプには、アミノ酸が含まれ、犬の筋肉増強に大切な役割を果たします。
そのかわり臭いは強烈。

反すう動物は4つの胃を胃内残留物とともに食べることで犬は善玉腸内細菌を得ると同時に、体の免疫機能は活性化されるといわれています。

これが市販のフードになると衛生的に高温で殺菌処理されて生産されればされるほどフードに含まれるバクテリアの数は減り、結果として犬のお腹には必要な腸内細菌を得ることができなくなり慢性的な腸内細菌不足に陥ります。そして犬が下痢を起こした際、市販のフードだけを与えられていると回復が遅くまた下痢が再発しやすい理由はここにあると言われています。

グリーントライプは犬にとって消化が良く、必要な栄養素が豊富に含まれ、栄養吸収も良い。
グリーントライプこそが、犬にとって究極のごはんといえるかもしれません。

2009年10月13日火曜日

犬に必要な栄養素のまとめ3 ビタミン、ミネラル

ほとんどのビタミンは体内で生成できないものばかり、もしくは合成量が不十分なものばかりである。
そのため食事中からの摂取が必要になります。
ビタミンは代謝過程で酵素反応を促進させる成分として働く生命活動に不可欠な有機化合物です。

ビタミンは水溶性と脂溶性に分類されます。
水溶性のビタミンはCとB群で吸収するには水分が必要になります。
水分と共に小腸から吸収されます。
水溶性ビタミンは蓄えることが出来ません。そのため定期的な摂取を心がけなくてはいけません。
脂溶性ビタミンはA、D、E、Kで吸収には脂肪が必要になります。
水溶性ビタミンと違い脂溶性ビタミンは脂肪組織や肝臓に蓄積され骨の疾患、肝臓や腎臓の機能の低下につながることもあります。
犬はビタミンKやナイアシンを体内で合成できます。

ミネラルは動物の全体重のわずか4%ぐらいしか体の中に存在しないわずかなものですが生命を維持するためには重要な無機化合物。
ミネラルは動植物が作り出すことはできません。そのため食事などにより摂取する必要があります。
ミネラルの摂取も大事だけどそのバランスも大事。ミネラルが多すぎても少なすぎても過剰や欠乏が生じることがあります。要は総合的なバランスで摂取する必要がある。
ミネラルは体に多く存在するマクロミネラル(カルシウム、リン、ナトリウム、カリウムなど)と、わずかしか存在しないミクロミネラル(鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、クロムなど)に分けられます。

2009年10月12日月曜日

犬の栄養素のまとめ2 脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル

脂質も犬の栄養素にとっては必要なもの。
脂質はたんぱく質や炭水化物の2倍以上のエネルギーを供給します。
単にエネルギー供給といっても体温維持、内蔵保護の役割もしています。
脂溶性ビタミンの吸収を助けたり、ホルモンの生成や細胞膜、血液の生成のためには必要な栄養素。
脂肪酸は不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸とに分けられます。
飽和脂肪酸は室内温度で固まるという特性があり
動物性油脂に多く動物の脂やバター、ショートニングなどがあたります。
不飽和脂肪酸は主に植物性油脂に多く含まれています。(オリーブオイル、ひまわり油など)
また魚油にも多く含まれています。
最近ではドッグフードのトッピングや犬の栄養補助としてサーモンオイルが販売されていますね。
ただしこの魚油は酸化しやすいので注意が必要です。
不飽和脂肪酸の中には犬にとっての必須脂肪酸があり
リノール酸(n-6系)αーリノレン酸(n-3系)、アラキドン酸(n-3系)がそれにあたります。
アラキドン酸は犬の皮膚や被毛、腎機能や繁殖機能に大切な成分。
リノール酸はコレステロールや血圧をさげる成分
αーリノレン酸はガンの抑制や血液の流れをよくしたり脳や神経系の働きにも関与しているといわれています。犬の健康維持にはこれら必須脂肪酸をバランスよく摂取することが大事です。

炭水化物はエネルギー供給部分の「糖質」と腸の健康維持に必要な「繊維質」に分けられます。
糖質のエネルギーは主に脳と体を動かす筋肉に供給されます。
この炭水化物の糖質はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられますが必要以上摂取すると中性脂肪になり肥満の元になるので注意が必要です。
糖質は単糖類(果実や蜂蜜など)、小糖類(砂糖やミルクなど)、多糖類(でんぷん、グリコーゲン、ペクチン質や寒天など)に分類されます。
単糖類、小糖類はすばやく分解吸収されるけど血糖値があがりやすく、中性脂肪も作られやすい。
多糖類はゆっくり吸収されるので単糖類、小糖類の逆です。
犬の場合、

必要な糖質はタンパク質や脂肪から合成できる分の糖質でまかなっているといわれてます
そのかわり、犬は人間に比べて3~5倍のタンパク質が必要です。
人間が炭水化物をたくさん食べる理由は、
発達した大脳が多くの糖質を要求するからだと考えられています。
どちらにしても糖質のとりすぎは肥満の原因になるので注意しましょう。

炭水化物の繊維質は腸の働きを促進さえたり腸内細菌のバランス維持、便秘予防など腸の健康を維持するために大事なものです。

ビタミン、ミネラルは体内で生成できない、もしくは合成量が不十分なものばかりである。
そのため食事中からの摂取が必要になります。
ビタミンは代謝過程で酵素反応を促進させる成分として働く生命活動に不可欠な有機化合物です。
ビタミンは水に溶けやすい水溶性と油に溶けやすい脂溶性に分けられます。そのため摂取の仕方を間違えると十分な量を摂取しても吸収されずということもあるので注意が必要です。

2009年10月9日金曜日

犬に必要な栄養素のまとめ 水とたんぱく質の役割

犬に必要な栄養素は

たんぱく質
脂質
炭水化物
ビタミン
ミネラル  でした。

犬の体の中で水分は体全体の約6~7割をしめる重要なもの。
(完全栄養食をうたっているドッグフードの多くはこの水分が全く足りません。
このことからドッグフードの多くが完全栄養食でないことがわかりますね。)
いつでもどこでも新鮮な水が飲めるようにしましょう。

たんぱく質は水分についで体の中に多く含まれる物質。
犬に最適と思われる主なたんぱく質源は肉や魚
これらは高い生物価を持っているものが多い。
生物価とは・・・体内に吸収された後、排泄されずに体内に保有されたたんぱく質の割合のこと。

卵はビタミンC以外、すべての栄養素を含みすぐれた食べ物ですが生の卵白は成長因子のピオチンを阻害する物質が含まれているため過熱が必要。与えるときには注意しましょう。

野菜や穀物などのたんぱく質源は犬に向いていません。
その理由として必須アミノ酸が少なく生物価が低いため体に必要なたんぱく質をとるのに莫大な量を摂取する必要があります。もともと肉食である犬の短い腸には野菜や穀物は適していません。

大豆などの豆類は高品質なたんぱく質を含んでいますが「フィチン」という酵素が亜鉛やカルシウムなどのミネラルの吸収を妨げたり、食物繊維が豊富なので腸の短い犬にとって多量摂取は適してないです。犬に適さないたんぱく質でも消化しやすい形にすることや適度な量に調整することが大事です。

たんぱく質の構造は20種類の異なるアミノ酸からなっている。
たんぱく質は体のすべての組織の成長に必要不可欠な物質であると同時に免疫や遺伝子組織の形成にも重要な役割を担っている。また炭水化物や脂質からエネルギー供給不足に陥るとエネルギーに早変わりするが筋肉量の減少、体組織の衰退に繋がる。
たんぱく質は体の中で消化酵素によりアミノ酸に分解される。
この分解されたアミノ酸が体に必要なたんぱく質に作り変えられます。
だから質の良いたんぱく質を摂取することが望ましいです。
たんぱく質はアミノ酸スコアであらわされ100に近いほど良質なたんぱく質になります。
卵はアミノ酸スコア100でその代表格です。
アミノ酸は非必須アミノ酸と必須アミノ酸に分類されます。
犬の必須アミノ酸は10種類とされています。
その内訳はアルギニン、メチオニン、ヒスチジン、フェルニアラニン、イソロイシン、スレオニン、ロイシン、トリプトファン、リジン、バリンの10種類です。

2009年10月1日木曜日

犬に必要なミネラルと主なミネラルの働き

犬に必要なミネラルは以下のとおりです。AAFCO(米国飼料検査官協会)より。

カルシウム
リン
カリウム
ナトリウム
クロール
マグネシウム


マンガン
亜鉛
ヨウ素
セレン

カルシウムの役割
カルシウムは骨の形成、代謝にとって重要なミネラルです。
しかし成長期の過剰摂取は骨の形成、成長に障害をもたらす恐れがあります。
カルシウムが不足すると骨がもろくなります。
カルシウムはビタミンDと取ることが好ましくビタミンDが不足しても骨に異常がでたりします。
またカルシウムはリンとのバランスが不可欠です。
犬の場合カルシウムとリンのバランスは1,2~1,4:1の割合と言われています。

カリウムの働き
細胞内液の主成分で細胞の浸透圧を維持する働きがあります。
また酵素が活動するのに不可欠なのがカリウムです。
神経伝達、筋肉機能、心肺機能に需要なミネラルです。
カリウムは腎機能の低下や下痢などで不足ぎみになります。
またカリウムは他のミネラルと比べ蓄積されにくいので毎日の食事から取れるようにしましょう。

ナトリウムの働き
ナトリウムは体の水分を均衡に保ち、成形に使われます。

マグネシウムの働き
骨の発育、代謝、エネルギーの生成に関わっているミネラルです。
犬の場合、不足になることはマレです。


鉄は赤血球細胞中のヘモグロビンに含まれています。酸素の運搬などに関わっています。
犬の場合欠乏はごくマレです。


ヘモグロビンの合成、メラミン色素の精製

マンガン
酸素反応に関係しています。

ヨウ素
甲状腺ホルモンの合成に関与

セレン
細胞の抗酸化作用

コバルト
ビタミンB12を構成しているミネラルです。