2009年11月23日月曜日

ドッグフード業界の戦略

安価で便利なドッグフードが市場に投入され、それらを買い求める人々が増えることでドッグフード市場はさらに加熱することになります。

有名人がCMに出たりドッグフードの粒の大きさや形に変化をつけたり着色したりすることで、飼い主にむけた戦略に変わってきました。ドッグフードのパッケージについても同じ。犬の健康よりも飼い主に良いイメージを植え付けるだけの戦略が熱を帯びてきたわけです。

ドッグフードは徐々に大型スーパーになどで売られ始め、それと同時に明るいラベルや絵や写真を使ってとにかく飼い主に目立つようなパッケージで売られるようになりました。
ドッグフード業界の戦略は功を奏し、ドッグフードの売り上げは赤ちゃん用のごはんの消費額を上回り始めるようになったそうです。

こうした戦略に飽き足らず次に考え出された戦略は専用食だそうです。
そう、犬のさまざまな病気に対応するドッグフードなどの~専用のドッグフードです。

この戦略によって、「犬に必要な栄養を理解するのは一般人には難しい」、という認識を植えつけることに成功したドッグフード業界。犬の栄養について、飼い主自身の常識や判断で今まで問題なかったものをドッグフード業界の戦略により人々は獣医のアドバイスを受け入れるようになります。この戦略によりドッグフードの売り場は動物病院にまで広がりました。獣医師が推薦するドッグフードとかありましたよね。
獣医師の多くが、ドッグフードメーカーが獣医大のために出版した栄養学テキストを使用して学んでいます。このテキストには「超加工された穀類ベースのドッグフードはペットの必要栄養素に見合うよう科学的に成分構成されている」と書かれているそうです。

犬の健康よりも飼い主の心をつかんだドッグフード業界がとった次の戦略は「プレミアム」や「スーパープレミアム」と名付けた通常よりもワンランク上のイメージを持たせたドッグフードです。
これらのドッグフードは今までのドッグフードよりも栄養価が高いとされ、子犬用、メインテナンス用、パフォーマンス用、シニア犬用など犬のライフステージごとに異なる成分構成で販売されています。

この「プレミアム」、「スーパープレミアム」と名付けた通常よりもワンランク上のイメージを持たせたドッグフードですが、実際は穀物が多く使われており、高炭水化物、低たんぱく質という古いスタイルのままの成分構成だったそうですが現在のプレミアムフードも少数を除きその傾向はほとんど変わらないといえます。


次に問題になったのは合成保存料です。そのころ発がん性物質を含んだ合成保存料をふんだんに使ってきたドッグフード業界は世論から非難を浴びこの危険な合成保存料の使用を禁止し始めることになります。
これらの代わりとして用いられているのがビタミンC、ビタミンEです。ビタミンC、ビタミンEを脂肪保存料としたものが現在主流ですね。

ペットフードメーカーの多くが無農薬で栽培された食品やそれらの餌を食べた動物を使ったオーガニックフードや鹿肉、魚や羊肉などの新しい肉原材料を使用したドッグフードを売っています。
しかし、そのほとんどが未だに原材料を超加工し、成分のほとんどが穀類、穀類増量剤、穀類繊維、穀類副産物を使用しているのが現実だそうです。
成分表を見ると犬の体に必要なたんぱく質量が20%に満たないものも多いと思います。
ドッグフードが世に生まれて現在までいろんなドッグフードが販売されてきましたが穀類が主流の低いたんぱく質、高炭水化物のドッグフードが現在も主流です。

私たち飼い主は知識を増やし、ドッグフードのたんぱく質や原材料の品質、穀類の含有量などについてきちんと関心を持たなくてはいけません。

低価格で消費者をひきつけることを最大の目的とした今日の市販のドッグフードのほとんどは、
「犬の健康を守り維持する」というドッグフードの重要な目的を失っているといえます。

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